ことばの栞 20230827

「光の武具を身に着ける」
 「上に立つ権威に従うべきです」と示された言葉の解釈によって、神に従っていない王や統治者であっても、従うべきなのかという疑問は容易に思い浮かぶでしょう。神の権威に従う歩みとはどのようなものなのでしょうか。

 大前提として、パウロがローマの教会に宛てたこの手紙の対象者は神に対しての信仰を告白し、キリストをかしらとして生きる決心をした者たちです。彼らにとっての支配者に神以外はなりえません。

 ですから、日本に生きる私たちは為政者たちが神の御心に従って歩んでいるかを霊的識別力によって判断し、時には立ち向かわなければならないことがあるのです。
 情や恩によって立ち向かうのをやめてしまうことで、大きな過ちや悪に飲み込まれてしまうこともあります。信仰よりも情を優先した判断をしたとき、あなたの支配者はすでに入れ替わっているでしょう。

 一方で、隣人への愛は別だとパウロは教えます。愛の表現のカタチに文化の違いはありますが、どの国でもどの時代でも隣人への愛は律法を満たし、尊ばれ、受け入れられています。
 また、愛は貸し借りではありません。すでに神から返しきれないほどの愛を私たちは受けています。キリストのからだとして神の権威に従おうと、隣人に愛を与えていくという信仰のカタチであり、そのためには受け取り手が必要です。

 罪に生きた私たちであっても闇のわざを脱ぎ捨てることができ、光の武具を用意され、それを身に着けることができる資格が与えられたのですから、神の前にふさわしい、品位のある生き方をしましょう。